‘2010/07’ カテゴリーのアーカイブ
お会いできたことに感謝
2010/07/20この2、3日食事も摂れず、ドクターの診断でも長くはないとご家族様に伝えられました。
このシニア様はパジャマ姿でしたが、床にふせることもなくいつもの生活を送られて、私たち夜勤者が21時に伺うと、ご家族(息子様2名、娘様1名)に「ありがとう、ごくろうでしたね、気を付けてね」とねぎらいの言葉をかけられました。
酸素が準備されており、今夜からおむつを使用することを了承していただいておりましたので、装着いたしました(酸素も)。
娘さんが「お母さん、いつでも参りますからね。」と言われると、「大丈夫よ、みなさんがついてくださっているから。」と私たちにたくされてお帰りになりました。
私たちも1時間毎の訪室や他のシニア訪室の時には立ち寄りました。
午前2時には目覚められており、酸素をはずしたいとの訴えがありましたが、
「今日だけはガマンして付けてくださいね。」とお願いして付けておりました。
午前4時は「少し気分が悪いの。」とベッドに端座位になっており、
「弟の夢を見たの。大声で叫んでもどんどん行ってしまうの。」と話されました。
もうすぐ朝ですのでと横になっていただきました。
4:30に訪室すると「気分が悪くてね、おむつをはずしたいの。」と端座位になっていて訴えられました。
「落ち着きましたら、おむつをはずしましょう。」と話をしている最中にウーとため息と歯をくいしばると同時に力が抜けていきました。
あまりにもあっという間の看取りでした。
他のシニア様に食堂で睨まれたり、言葉をかけられても、節度を持って席をはずしたり、表情を曇らせることもない。
静かなしぐさに声をかけた時に他人が何をしている、したかではなく、自分が何をしたいのか、したかを心がけて自分に言い聞かせて毎日を送っています。と言われた穏やかな笑顔を思い出し、この素晴らしいシニア様にお会いできたことに感謝です。

サンフォーレ鵠沼 スタッフ T
シニア様との『合言葉』
2010/07/13ある時、入居されているSさんに
「Sさんの名前は、弘法大師様の字と同じですね。いいお名前ですね。」
と、話かけたところ偶然にも
「あなた良く分かったわね、この名前は私が大好きだったおじいちゃんが弘法大師様から取って付けてくれたのよ。」
と、おじい様を思い出されたのか涙ぐみながら話してくれました。
いつも何かにつけ感極まると涙ぐむSさんですが、おじい様との思い出話になると笑顔も混じりとてもいい表情をされます。
それからはSさんの笑顔を見たい時には決まって
「弘法大師○子さま」
と声かけをしてその反応を楽しみにしています。
この話を紹介するにあたり安易に仏教界の偉い方というイメージだけでいい名前ですねと言っている自分が軽々しく思い、ごく一般的な弘法大師(空海)像を調べてみました。
774年平安時代初期の真言宗の開祖で書の名人としても有名です。
ことわざにも「弘法にも筆の誤り」「弘法は筆を選ばず」などがあります。このことわざのせいか弘法大師のことをあまり知らなくても何故か身近で親しみが持てる気がします。
また、若い頃は全国行脚し多くの伝説を残しています。
特に水不足で苦しんでいる農民を見て気の毒に思い地面を杖で突いたところ水が湧き出たなど水にまつわる話が多いようです。
これからもSさんとは「弘法大師様」を小出しにしながらコミュニケーションを図って行きたいと思います。

サンフォーレ材木座 スタッフ F






